慢性疲労症候群(chronic fatigue syndrome: CFS)とは、十分に休息しても日常生活を送れないほどの疲労感(疲れ)が6ヶ月以上続いている状態のことをいいます。
重度の疲労感をはじめ、記憶力・集中力の低下、筋肉痛、関節痛などの症状が見られます。悪化するとうつ病や不安障害などが合併して起こることもあります。
慢性疲労症候群の原因
慢性疲労症候群の原因は明らかになっていません。
ただ「ストレス」と「過去のウイルス感染」が影響を及ぼしていると考えられています。
慢性的なストレスが続き、体の抵抗力が落ちて免疫機能が低下すると、過去に感染し体内に残っているEBウイルスなどが再活性化します。
再活性化によりサイトカインという免疫物質が過剰に生成され、脳の神経にダメージを与えることで、慢性的な疲労感や倦怠感を引き起こすと見られています。
慢性疲労症候群でよく見られる症状
- 日常生活ができないほどの疲労感
- 記憶力、集中力の低下
- 筋肉痛
- 関節痛
- 喉の痛み
- 首や脇の下のリンパ節の腫れ、痛み
- 睡眠障害
- 頭痛
- 低血圧
- 体の体温調節がうまくなく、暑いのも寒いのも苦手
- 音や光に対して過敏
慢性疲労症候群の診断・検査
慢性疲労症候群を診断するには、身体の病気や精神疾患が原因でないことを確認する必要があります。
そのため、以下の検査で身体の病気がないかを調べます。
- 血液検査
- 尿検査
- 便検査
- 心電図
- 胸部レントゲン
身体的な病気の可能性がないとされた場合は、精神疾患の可能性を除外していきます。
慢性疲労症候群と合併症
慢性疲労症候群はほかの病気が合併していることがあります。
その多くはストレスの影響が強い病気であると考えられており、「身体の病気」「精神の病気」それぞれ下記のようなものがあります。
身体の病気
- 過敏性腸症候群
- 機能性胃腸症
- 月経前症候群
- 片頭痛
- 顎関節症
- 線維筋痛症
- 更年期障害
精神の病気
- うつ病
- 不安障害
慢性疲労症候群の治療
慢性疲労症候群の原因は解明されていないため、治療法も確立されておらず、症状を和らげるための対症療法しかありません。
当院では「漢方薬での治療」「ビタミン剤と食事での治療」「高濃度ビタミンC点滴やプラセンタなどの治療」「抗不安薬や抗うつ剤での治療」「生活習慣を整える治療」にて患者様の症状が回復するよう治療を行っております。